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ispace、日本での宇宙資源関連法の成立を歓迎

2021年6月15日

「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律」が国会で可決 

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律」が2021年6月15日に国会で可決されたことについて、以下の声明を発表致しました。 

株式会社ispace Founder & CEO 袴田武史のコメント 

今回の宇宙資源関連法の成立を心から歓迎します。同様の法律を既に成立させた、あるいは準備中の世界各国と歩調を合わせた日本の超党派の議員連盟の国会議員の方々による迅速な行動を、世界をリードする素晴らしい取り組みと高く評価したいと思います。このようなルール整備は商業活動に機会と秩序をもたらし、世界中の多くの関係者に向けて産業の発展、更には人類の持続可能性を後押ししてくれるものになると確信しています。 

「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律」は、日本の民間事業者が、月その他の天体を含む宇宙空間に存在する水、鉱物、その他の天然資源である宇宙資源の探査及び開発に従事することを認めることを規定しています。これは、日本企業が、月面上の一定の場所において、宇宙資源の開発に必要な採掘等及びこれに付随する加工、保管などの事業を継続的に行い、宇宙資源を自由に利用することができることを意味します 

日本の企業がこのような活動を行うには、宇宙活動法に基づいて政府の許可を得る必要があります。政府はまた、宇宙資源の探査や開発を行う民間事業者に対して、技術的な助言や情報提供などの援助を行います。さらにこの法律では、宇宙関連産業の国際競争力の強化について適切な配慮をするとともに、国際的に整合のとれた宇宙資源の探査及び開発に係る制度の構築に努めることを政府に求めています。  

日本は、米国、ルクセンブルクアラブ首長国連邦に続き、民間企業による宇宙資源利用を認める法律を制定した4番目の国となりますカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどでも検討が進められています。また、日本は米国が主導する民間の宇宙開発活動に関する国際的な枠組みである「アルテミス合意」の11の加盟国の一つでもあります。  

ispaceは、月の水資源などの宇宙資源を活用して人類の生活圏を宇宙に広げ、人類の持続可能な未来を創造するというビジョンを持つ、月面資源開発に取り組んでいる企業です。月の資源を活用することで、地球と月がひとつのエコシステムとなるシスルナ経済圏の発展が可能となり、地球周回の宇宙インフラを介して地球上の生活に利益をもたらすと同時に、火星やそれ以上の深宇宙にアクセスするための拠点を確立することができると考えています。  

月面から抽出された水資源は、水素と酸素に分解され、より地球から離れた宇宙空間に向かう宇宙船や、月面やその周辺で活動する宇宙機の推進剤として利用することができると考えられています。ispaceのほかにも、多くの企業や団体が月面の水資源を探査・抽出する方法の研究開発を進めています。例えばispaceは水電解装置及び水電解・燃料電池一体型セルの自社開発を成功させている環境クリエイター企業、高砂熱学工業株式会社とHAKUTO-Rコーポレートパートナー契約を締結しています。高砂熱学工業は、ispaceが今後予定している月面ミッションを活用して、月面での水素・酸素の生成に向けたミッションに挑戦しています。 

■ ispaceの宇宙資源に関する活動について 

● 2020年、ispaceとその子会社であるispace Europe S.A.(所在地:ルクセンブルク大公国)は、アメリカ航空宇宙局(NASA)による、月面で採取した月のレゴリス(砂)の販売に関する商取引プログラムに採択されました。 

(詳細:https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=1776 

● 2019年、ispace Europe S.A.のメンバーが、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が行う月の水探査を目指すプロジェクト「PROSPECT」のサイエンスチームの一員に選ばれました。 

(詳細:https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=1318 

● 2017年、ispaceはルクセンブルクにオフィスを開設し、宇宙資源の探査と商業利用を促進することを目的とした「SpaceResources.Iu」計画の一環として、同国と月の資源開発に関する覚書を締結しました。 

(詳細:https://ispace-inc.com/wp-content/uploads/2017/11/ispace_PressRelease_170302_jp.pdf 

● 2016年、ispaceは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、月面資源開発のロードマップを共同で作成するための覚書を締結しました。 

(詳細:https://ispace-inc.com/wp-content/uploads/2017/11/ispace_JAXAu3068u6708u8cc7u6e90u958bu767au3066u3099u9023u643a_final1.pdf  

● ispaceは、宇宙資源活動の国際的な枠組みの基礎を準備するために活動している国際コンソーシアムであるThe Hague International Space Resources Governance Working Groupのメンバーであり、2019年、同グループはその成果を下記の通り発表しました。 

(詳細https://www.universiteitleiden.nl/binaries/content/assets/rechtsgeleerdheid/instituut-voor-publiekrecht/lucht–en-ruimterecht/space-resources/bb-thissrwg–cover.pdf 

■株式会社ispace (https://ispace-inc.com/)について 

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、130名以上のスタッフが在籍。2010年に設立。Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営していました。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。ispaceは、NASACLPS(Commercial Lunar Payload Services)プログラムに選出されたドレイパー研究所のチームの一員であり、ESAPROSPECT(月面での水の抽出を目的としたプログラム)の科学チームの一員に選ばれています。  

■HAKUTO-R (https://ispace-inc.com/hakuto-r/)について 

HAKUTO-Rは、ispaceが行う民間月面探査プログラムです。独自のランダーとローバーを開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う予定です。SpaceXFalcon 9を使用し、それぞれ20221に月面着陸ミッション、そして20232に月面探査ミッションの打ち上げを行う予定です。このプログラムは、月の情報と地球月輸送サービス構築に向けた技術検証を行います。 

HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、住友商事株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社が参加しています。また、HAKUTO-Rメディアパートナーには、株式会社TBSホールディングス、株式会社朝日新聞社、株式会社小学館が参加しています。 

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