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ispace、ミッション1マイルストーンのSuccess4を完了

2022年12月15日

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1のランダーの運用において、初回の軌道制御マヌーバを実施し、ランダーを予定軌道へ投入するとともに、主推進系、誘導制御系の動作の確認を完了いたしました。これにより、ミッション1マイルストーンの第四段階である「Success4」を完了したことをお知らせいたします。


ミッション1航行軌道イメージ

ランダーは引き続き安定した姿勢で、安定した電源供給を確立しながら航行を進めており、2022年12月15日12時00分(日本時間)に初回の軌道制御マヌーバを完了しました。ランダーは地球から約55万kmの地点を航行しており、2023年1月20日頃 には地球から約140万km 地点まで航行予定です。その後計画に沿って軌道制御マヌーバを行い、月周回を目指します。
今回の初回の軌道制御マヌーバ実施は技術的観点からも大きなマイルストーンと捉えております。大きな推力を持つ主推進系の軌道上運用、軌道制御アルゴリズム、予定通りの軌道にランダーを投入するための航行計画技術、軌道制御マヌーバ実行後の軌道評価技術など、ispaceが月周回や月面で事業を展開するために必須の能力を獲得することができました。また、今回のマイルストーン達成により、今後のマイルストーンの完了に向けても多くの経験と知見を蓄積することができたと捉えています。
今回Success3に先行してSuccess4が完了することとなりましたが、ミッション1で輸送する顧客ペイロードについては現在一つずつ確認作業を行っており、一部については既に確認作業が完了しています。全て完了次第、Success3の完了として改めてお知らせいたします。ミッションの実際の運用状況に沿って計画を適宜調整した結果であり、今後の運用上に問題はございません。更なるアップデートが有り次第、随時お知らせしてまいります。

■ 10段階のミッション1マイルストーンについて
ミッション1では、打ち上げから着陸までの間に10段階のマイルストーンを設定しており、それぞれに設けたサクセスクライテリアを達成することを目指します。ミッションの途中で何らかの課題が発生した場合にも、その時点までに得たデータやノウハウなどの成果を正確に把握した上で、2025年までに後続するミッション2、アルテミス計画に貢献するミッション3へとフィードバックし、技術と事業モデルの信頼度及び成熟度を商業化に足る水準にまで高めることを計画しています。各マイルストーン達成の進捗状況等は適時に公開を予定しております。

■ ミッション1マイルストーン詳細

■ 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在200名以上のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営していました。2022年7月時点で総計約268億円超の資金を調達。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。  
SpaceXのFalcon 9を使用し、それぞれ2022年にミッション1、2024年 にミッション2の打ち上げを行う予定です。ミッション1のランダーは、2022年12月11日に打ち上げられました。ミッション1の目的は、ランダーの設計及び技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証及び強化です。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされます。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画です。
ispace technologies U.S., inc. は、2025年 に月の裏側に着陸予定のNASAのCLPS(Commercial Lunar Payload Services)プログラムに選出されたドレイパー研究所のチームの一員です。ispaceとispace EUROPE S.A. (ispace Europe) は2020年12月に、NASAから月面で採取した月のレゴリスの販売に関する商取引プログラムの契約を獲得しました。ispace EuropeはESAのPROSPECT(月面での水の抽出を目的としたプログラム)の科学チームの一員に選ばれています。

■ HAKUTO-R (https://ispace-inc.com/jpn/m1)について
HAKUTO-Rは、ispaceが行う民間月面探査プログラムです。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う予定です。SpaceXのFalcon 9を使用し、それぞれ2022年にミッション1(月面着陸ミッション)、そして2024年 にミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを行う予定です。ミッション1のランダーは、2022年12月11日に打ち上げられました。
HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、住友商事株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社が参加しています。

(i) 2022年12月時点の想定。
(ii) 2022年12月時点の想定。実際の打ち上げ日と航行計画を確認した結果、約140万kmを想定しています。
(iii) 2022年12月時点の想定。
(iv) 2022年12月時点の想定。
(v) 2022年12月時点の想定。

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