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ispace、ミッション1マイルストーンのSuccess8を完了 月周回軌道上での全ての軌道制御マヌーバの完了

2023年4月14日

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1において、着陸シーケンスの前に計画されている全ての月軌道制御マヌーバを完了し、ランダー(月着陸船)が着陸シーケンスを開始する準備が出来ていることを実証いたしました。これにより、ミッション1マイルストーンの第8段階である「Success8」が完了いたしましたことをお知らせいたします。

ispaceのエンジニアは東京の日本橋にあるミッションコントロールセンター(管制室)から2023年4月13日10時8分(日本時間)にミッション運用計画に沿って月軌道制御マヌーバを開始し、約10分間の主推進系の燃焼の後、問題無く完了しました。

2023年3月21日にランダーは月周回軌道への投入に成功し、近月点(月に最も近い地点)高度が約100km、遠月点(月に最も遠い地点)高度が約6,000kmの楕円軌道で月を周回した後、2回の軌道制御マヌーバを行い、高度約100kmの円軌道で月を周回する軌道に到達しました。

ispaceのランダーはこの後、2023年4月26日午前0時40分頃(日本時間)に高度約100kmの円軌道から降下を開始し、着陸態勢に入る予定です。降下段階において、ランダーは自動制御状態で主推進系を逆噴射で燃焼して軌道速度から効率的に減速し、姿勢を調整しながら約1時間で月へ軟着陸する計画です。現時点で着陸地点のバックアップは3か所想定しており、地点によって着陸日が変わるため、運用の状況に応じて着陸予定日は4月26日夜、5月1日、3日に変更される可能性があります。

次のミッション1マイルストーンとなるSuccess9については、月面着陸の完了を確認した後お知らせすることを予定しています。また、ミッション1マイルストーンの最後の段階であるSuccess10については月面着陸後の安定状態の確立を確認した後お知らせ予定です。

ミッション1の運用に関してはispaceのSNSアカウントからも随時最新情報を紹介しておりますので、是非継続してフォロー下さい。着陸日当日には、Youtube配信を予定しております。詳しくはHPやSNSにて改めてご案内いたします。

●  YouTubeアカウント

○ ispace: https://www.youtube.com/@ispace9464/videos

○ HAKUTO-R チャンネル : https://www.youtube.com/@HAKUTO-R

●  Twitterアカウント

○ ispace Twitter(英語):@ispace_inc (https://twitter.com/ispace_inc)

○ HAKUTO-R Twitter(日本語): @ispace_HAKUTO_R (https://twitter.com/ispace_HAKUTO_R)

●  10段階のミッション1マイルストーンについて

ミッション1では、打ち上げから着陸までの間に10段階のマイルストーンを設定しており、それぞれに設けたサクセスクライテリアを達成することを目指します。ミッションの途中で何らかの課題が発生した場合にも、その時点までに得たデータやノウハウなどの成果を正確に把握した上で、2025年までに後続するミッション2、アルテミス計画に貢献するミッション3へとフィードバックし、技術と事業モデルの信頼度及び成熟度を商業化に足る水準にまで高めることを計画しています。各マイルストーン達成の進捗状況等は適時に公開を予定しております。

●  ミッション1マイルストーン詳細

■ 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/)について

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在200名以上のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営していました。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。

SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年12月11日にミッション1のランダーの打ち上げを完了し、2024年[i]にミッション2の打ち上げを行う予定です。ミッション1の目的は、ランダーの設計及び技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証及び強化です。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされます。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画です。

ispace technologies U.S., inc. は、2025年[ii]に月の裏側に着陸予定のNASAのCLPS(Commercial Lunar Payload Services)プログラムに選出されたドレイパー研究所のチームの一員です。ispaceとispace EUROPE S.A. (ispace Europe) は2020年12月に、NASAから月面で採取した月のレゴリスの販売に関する商取引プログラムの契約を獲得しました。ispace EuropeはESAのPROSPECT(月面での水の抽出を目的としたプログラム)の科学チームの一員に選ばれています。

HAKUTO-R (https://ispace-inc.com/jpn/m1)について

HAKUTO-Rは、ispaceが行う民間月面探査プログラムです。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う予定です。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了し、2024年[iii]にミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを行う予定です。

HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、住友商事株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社が参加しています。

[i]    2023年4月時点の想定

[ii]   2023年4月時点の想定

[iii]   2023年4月時点の想定

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