2024年12月4日
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、モンゴルのウランバートルに本社を置く同国内初の宇宙ベンチャー企業、ONDO Space LLC(以下ONDO)と、将来的な月面プログラム開発を目的とした、戦略的協業の締結を発表いたしました。本締結は、11月28日にウランバートルで開催された「第11回 日本・モンゴル官民合同協議会」の中で両社代表により署名が行われ、低軌道の超小型衛星の開発および地上局の設置実績を有するONDOが、将来的に月周回軌道における運用を実証するためispaceの将来ミッションに超小型衛星を搭載し打ち上げる検証を共同で行うことなどが含まれます。
左からモンゴル商工会議所 Jargalsuren.B氏、ONDO Space CEO Namuun Bold氏、 ispace 事業開発部門シニアマネージャー 浦田真幸、JETRO理事 高島大浩氏
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。最速 2025年 1 月に日本法人が主導するミッション2、続いて2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。
- ONDO Space CEO Namuun Bold氏のコメント
「私たちは、モンゴルの強みを活かし世界の月面やシスルナ空間の探査を、ispaceと共に推進出来ることをとても嬉しく思います。この締結により、モンゴルの宇宙開発、探査、航空宇宙分野の能力を大きく向上することが出来るだけではなく、遊牧文化と工学技術に特化したモンゴル独自の視点と影響力を、世界の月面探査に与える機会であると捉えています。これは、モンゴルが持つ文化的な独自性で月面に足跡を残すための最初の一歩となります。」
- 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント
「このたびの締結は、日本とモンゴルの宇宙技術スタートアップ企業が手を組んで、宇宙の発展を推進する新たな挑戦への第一歩となります。私たちの協業が今後、日・モンゴル間の官民連携強化に繋がり、将来共に月ミッションに挑むことが出来る日をたのしみにしています。」
- ONDO Spaceについて
ONDO Spaceは世界中に良心的な価格で衛星通信を提供するグローバルミッションを掲げるモンゴルの宇宙技術企業で、2022年に、日本に留学経験のある宇宙工学博士のモンゴル人によって設立された。ONDO Spaceは、2024年3月にSpace Xのファルコン9ロケットでモンゴル初の商業衛星を打ち上げ、今年さらに10基のキューブサテライトを打ち上げる予定。複数の技術からなるエコシステムの一環として2027年までに176基の包括的な衛星群の構築を計画中。ONDO Spaceはモンゴル、米国、そして日本でのグローバルな事業展開を進める。詳しくはこちらwww.ondospace.com。
- 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2の打ち上げは最速2025年1月[i]に、ミッション3は2026年[ii]、ミッション6は2027年に[iii]打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
[i] 2024年12月時点の想定
[ii] 2024年12月時点の想定
[iii] 2024年12月時点の想定