2025年4月9日
コロラド州コロラドスプリングスで開催中の第40回Space Symposium で覚書の締結式に参加したispace-U.S. CEO エリザベス・クリスト(左)とRedwire Corporation, President of Civil and International Space マイク・ゴールド氏(右)
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、当社米国法人であるispace technologies U.S., inc(以下ispace-U.S.)が、米国現地時間2025年4月8日(火)、次世代の宇宙経済に向けた宇宙インフラ分野におけるリーダーであるRedwire Corporation(NYSE:RDW)(以下Redwire)との間で、アメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services、以下CLPS)およびその他顧客向けの商業月面探査や科学ミッションを、共同で推進するための覚書を締結しましたのでお知らせします。本合意は、2025年4月7日(月)より、コロラド州コロラドスプリングスで開催されている、米国最大規模の宇宙カンファレンス「第40回Space Symposium」にて発表されました。
NASAのCLPSは、2028年までの予算総額が26億米ドルのプログラムであり、納期・数量が未確定の契約方式(Indefinite delivery, Indefinite quantity、以下IDIQ)です。NASAは次世代探査に役立つ科学技術を商業的に提供することで、月面経済の創出を支援するためCLPSを立ち上げました。Redwire社は、CLPSのIDIQ契約を有する主要請負業者14社のうちの一社であり、今後ispace-U.S.と共に、ispaceのランダーを活用したCLPS契約の獲得を目指します。ispace-U.S.が開発を進める次世代ランダー「APEX1.0」は、ispaceが行う民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のミッション1およびミッション2で使用しているRESILIENCEランダーの開発・運用経験で得た教訓を活かし、輸送可能なペイロード容量を向上させています。APEX1.0ランダーは、顧客のペイロードを月面または月周回軌道に輸送することが可能な、多目的プラットフォームを提供します。
今回、Redwireとの戦略的な提携により、今後ispace-U.S.とRedwireは、これまで培った経験や専門性、多くの技術を活かして、政府および商業顧客向けの将来的な月ミッションを遂行してまいります。
● ispace-U.S. CEO エリザベス・クリストのコメント
「ispace-U.S.は月着陸船やリレー衛星の設計、開発、自社内での試験設備、商業月面探査ミッションの運用といった幅広いサービスを提供する米国の企業です。ispace-U.S.は日本法人であるispaceが実施した月ミッションから引き継いだ豊富な経験と実績、米国内でのプレゼンス拡大を背景に、商業月面探査ミッションにおいて顧客に安心をもたらす独自のポジションを確立しており、将来のシスルナ経済圏の構築にも貢献していきます。」
● Redwire Corporation, President of Civil and International Space マイク・ゴールド氏のコメント
「Redwireは、このたびのispace-U.S.との提携により、今後予定している商業月面探査および科学ミッションをさらに推進し、月周回軌道上の重要なインフラを提供していけることを誇りに思います。Redwireの先進的なデジタルエンジニアリング、統合、試験、月面のサブシステムやペイロード技術と、ispaceの実績ある月面着陸プラットフォームおよびミッション運用技術を組み合わせることで、今後、人類の月面さらにその先での活動を支援することが出来る、世界トップクラスのチームが誕生します。」
● Redwire Corporation ( https://redwirespace.com/ )について
Redwire Corporation(NYSE:RDW)は、国家安全保障や民間、商業等幅広い分野にサービスを提供する世界的な宇宙インフラストラクチャーおよびイノベーション企業です。主な製品にはアビオニクスとセンサーの技術と生産能力、発電、構造とメカニズム、無線周波数(RF)システム、プラットフォーム、ペイロードとミッション、微小重力ペイロードが含まれます。数十年にわたり実証された伝統的な飛行経験を、アジャイルで革新的な文化と融合させています。約750名の従業員は、米国およびヨーロッパにある17の拠点で従事し、人類のために宇宙で大胆な未来を築き、発見と科学の限界を押し広げ、より良い世界を創造することに全力を注いでいます。
● ispace technologies, U.S., inc ( https://ispace-us.com/ )について
コロラド州デンバー郊外に位置する、株式会社ispace のUS法人。地球から月への輸送サービスを政府及び民間顧客に提供する米国の月開発企業。月の資源活用に着目し、月、および地球と月の間において人類の生活圏、経済圏を構築することを目指している。ispace-U.S.は米国で設計・製造・打ち上げが行われるAPEX1.0ランダー開発の中心地であると同時に、北米における事業の拠点としての役割を担う。Team Draperの一員として、アメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services, CLPS)に採択され、NASAが後援する複数の科学ペイロードを月周回軌道及び月面へ輸送する予定。
● 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2は2025年1月15日に打上げを完了し、最短2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定です。ミッション3は2026年[i]、ミッション4(旧ミッション6)は2027年に[ii]打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされている。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
[i] 2025年4月時点の想定
[ii] 2025年4月時点の想定
本件に関するお問い合わせ
ispace:広報 山本 PublicRelations@ispace-inc.com
Redwire:Tere Riley Tere.Riley@redwirespace.com