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2025年3月期 通期決算を発表 「民間月面ビジネスの幕開け!」世界で加速する月面開発と本格化する政府支援体制 2026年3月期は「プロジェクト収益」ベースで約倍増の成長を見込む

2025年5月9日

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は5月9日(金)に2025年3月期通期決算発表を行いました。

詳細は当社IRサイトより、本日発表の2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)資料をご参照下さい。また同サイトにて、通期 決算説明資料・決算説明会 録画・決算説明会書き起こしも順次開示いたします。

当社IRサイト: https://ir.ispace-inc.com/jpn/news/

1.経営成績

  • 売上高:4,743百万円
    2025年2月に発表した通期業績予想をやや上回る水準で着地。ミッション3に関して、想定以上に費用算入(翌期分の先取り)が進んだため、原価回収基準に基づく売上高が増加しました。
  • 売上総利益: 2,244百万円
    欧州子会社におけるローバー開発受託に関する原価計上の増加等により、業績予想対比で微減しました。
  • 営業損益:△9,795百万円
    販管費が計画通りに着地したことにより、概ね業績予想と同水準となりました。
  • 当期純損益:△11,945百万円
    主に第4四半期に発生した円高の影響による為替差損により、業績予想対比で減益となりました。

2025年3月期の貸借対照表、キャッシュフロー計算書につきましては通期決算資料等をご参照下さい。


2025年3月期通期決算説明資料より

2.サービス別売上高推移

今期の最終的な売上高は約47億円と前年度対比で大幅増収となりました。会計基準の変更に伴うミッション2の売上の前倒し計上、およびミッション3のペイロード売上が前年度を上回る水準で推移したことによる、収入の増加が主因となります。


サービス別売上高推移

3. 2026年3月期 業績予想

  • 売上高:6,200百万円
    今期の業績予想では、売上高62億円を見込んでいます。引き続き今期の売上は主にミッション3が牽引する見込みであり、宇宙戦略基金第一期に採択された案件を含むミッション4からの売上も一部開始される予定です。また限定的ながらミッション2および5からの売上も見込んでおります。
  • 売上総利益:500百万円
    前期に発生した一時的なミッション2の売上総利益がなく、今期は基本的に原価回収基準での売上計上を見込むため、売上総利益はごく一部に限定される予定です。
  • 営業損益:△11,500百万円
    今期は前期のミッション2の打上げ費等の一時費用が発生しない見込みですが、ミッション4の費用の本格的な支出開始を見込んでおります。
  • 当期純損益:△8,300百万円
    ミッション4に関して、SBIR補助収入を営業外収入として計上を見込んでおり、2025年3月期対比で大幅に拡大する予定です。当期純損益では改善を見込んでおります。​


2026/3期 通期業績予想


会計上の売上とプロジェクト収益

今回、新たな試みとして、会計上の売上高にSBIR補助金からの収入を合計した当社試算値を「プロジェクト収益」として開示しております。2025年3月期までは損益計算書全体に対するミッション4に関するSBIR補助金収入の割合は限定的であったものの、2026年3月期からはより本格的な貢献が見込まれており、当社の事業成長の実態をご理解いただく上で「プロジェクト収益」は一定の有益な手段と考えております。

2025年3月期の売上高実績と2026年3月期の売上高予想を比較した場合、約31%の増加が見込まれる一方、「プロジェクト収益」で比較した場合には、約倍増となることを見込んで
おり、引き続き強い成長を実現する計画となっております。

 

  • 株式会社ispace取締役CFO事業統括エグゼクティブ 野﨑 順平コメント

「2025年3月期は、「民間月面ビジネスの幕開け」を感じる1年となりました。当社を含む民間による月ミッションが世界中で相次ぎ、また宇宙戦略基金を筆頭に政府による支援体制も本格化しています。2月の日米首脳会談では「月面探査におけるパートナーシップの継続」が共同声明に明記され、さらに5月2日付でNASAが月探査に70億ドル以上、火星探査に新たに10億ドルを投じることで、革新性と効率性の維持を保証する声明を発表しました。これにより、引き続き当社にとって良好なビジネス環境が期待できると考えております。

今期はミッション2およびミッション3におけるペイロード収入の増加により大幅な増収を達成し、今後もミッション4(旧ミッション6)の収入本格化により収益成長が見込まれます。
引き続き社員一同、来る日本時間6月6日の月面着陸成功に向けた準備に全力を注ぐと共に、ミッションを通じて得られる知見を、後続するミッション開発に活かしながら、シスルナ経済圏構築の実現に貢献してまいります。」

 

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2は2025年1月15日に打上げを完了し、最短2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定。ミッション3およびミッション4(旧ミッション6)は2027年に[i]打ち上げを行う予定。

ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされている。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

[i]  2025年5月時点の想定

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