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ispace、ミッション2 マイルストーン Success 8「月周回軌道上での すべての軌道制御マヌーバ」に成功!

2025年5月31日

66日に予定している月面着陸への準備が整いました。

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)はMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”(以下ミッション2)において、2025年5月28日(水)午後5時27分(日本時間)に実施した円軌道到達に向けた軌道制御マヌーバの結果が良好につき、着陸シーケンスの開始準備が整ったことが確定したため、月周回軌道上で予定していたすべての軌道制御マヌーバの完了を発表しました。これにより、ミッション2マイルストーンのSuccess 8を達成し、いよいよ日本時間2025年6月6日(金)午前4時24分に予定している月面着陸に向けた最終フェーズに入ります。

ispaceのエンジニアは、東京の日本橋にあるHAKUTO-Rミッション・コントロール・センター(管制室)から、5月28日にミッション運用計画に沿って軌道制御マヌーバを開始し、ミッション2の中で最も長い、約10分間の主推進系の燃焼を予定通りに完了させ、円軌道への投入を完了させておりました。その後、円軌道上での追加の軌道修正の要否を慎重に検討しておりましたが、軌道修正の必要がないことを確認しました。

2025年5月7日(水)午前5時41分(日本時間)に月周回軌道に到達したRESILIENCEランダーは、近月点(月に最も近い地点)高度が約70km、遠月点(月に最も遠い地点)高度が約5,800kmの楕円軌道で月を周回し、全3回の軌道制御マヌーバを行い、現在、高度約100kmの円軌道をおよそ2時間ごとに1周しております。

RESILIENCEランダーは日本時間6月6日の着陸予定当日、午前3時20分頃より、円軌道から降下を開始し着陸態勢に入る予定です。降下段階において、ランダーは自動制御により主推進系を逆噴射で燃焼し、徐々に減速させ、姿勢を調整しながら、約1時間で着陸予定地点:Mare Frigoris(氷の海)に軟着陸をする計画です。なお、現時点でバックアップとする着陸地点候補は3か所あり、各地点で着陸日及び時間帯が異なります。運用の状況に応じて、着陸予定日は6月6日午後~8日に変更する可能性があります。

ミッション2のRESILIENCEランダーは、2025年1月15日(水)15時11分(日本時間)に打ち上げられたSpaceX社のFalcon9によって所定の軌道に投入され、同日、午後4時44分(午前7時44分24秒 協定世界時)にロケットから分離されました。地球周回フェーズ(下図①)を経て2025年2月15日(土)午前7時43分(日本時間)には月表面から高度約8,400㎞の地点を通過し、民間企業による商業用の月着陸船としては史上初となる「月フライバイ」に成功。その後、低エネルギー遷移軌道上(下図②)を約2カ月の長い期間をかけて、地球から最も離れた距離で約110万kmの地点まで到達しました。深宇宙の旅から帰ってきたRESILIENCEランダーは、2025年5月7日(水)午前5時41分(日本時間)に月周回軌道投入マヌーバに成功し、RESILIENCEランダーの月周回軌道投入を完了しました。

● 株式会社ispace 代表取締役CEO Founder 袴田武史のコメント

「今年1月15日に多くの関係者の皆さまと共に、様々な想いを載せたRESILIENCEランダーの深宇宙と月に向けた二度目の旅の始まりを見届けました。およそ4か月半の間、事前に設けた10個のマイルストーンのうち、ついにミッション1でも達成していた8個目のマイルストーンを達成しました。この間RESILIENCEランダーは地球から見守る私たちに自信と笑顔を届けてくれました。残るマイルストーンはあと2個。いよいよ、再起を遂げる瞬間が近づいてきました。人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界を創造するというispaceの揺るぎないビジョン実現への第一歩に、6月6日、RESILIENCEランダーが満を持して挑戦します。」

● Mission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON“ 着陸応援会 ライブ配信

ispaceは、日本、米国、ルクセンブルクの全拠点の従業員や家族、その他関係者の皆さまと共に、日本時間2025年6月6日(金)午前4時24分に予定しているミッション2の月面着陸を見守ります。その様子は、公式YouTubeにて午前3時10分からリアルタイムで配信する予定です。成功すれば、日本初、アジア初となる民間月面着陸を、ぜひ一緒に見届けましょう。

HAKUTO-Rチャンネル(日本語):https://ispace-inc.com/chakuriku

ispaceチャンネル(英語):https://ispace-inc.com/landing

● ミッション2マイルストーン

ispaceは打ち上げから月面着陸まで、10段階のマイルストーンを設定しました。各マイルストーンには基準を設け、達成を目指します。基準に基づき評価された結果は、後続する開発中のミッションに適宜フィードバックされます。なお、各マイルストーン達成の進捗状況等は適時に公開を予定しております。

ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。2025 年 1 月15日に日本法人が主導するミッション2の打ち上げを完了し、最短で2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定です。2027年には、米国法人が主導するミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)および、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4(旧ミッション6)を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。

● 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2は2025年1月15日に打上げを完了し、最短2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定。ミッション3およびミッション4(旧ミッション6)は2027年に[i]打ち上げを行う予定。

ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされている。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

● HAKUTO-R ( https://ispace-inc.com/jpn/m1 )について

HAKUTO-Rは、ispaceが行うミッション1およびミッション2を総称する、民間月面探査プログラム。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了。2025年1月15日にミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを完了し、最短2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定。

オフィシャルパートナーである株式会社三井住友銀行により命名されたMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”には、新たな始まりやチャンスの意が込められている。

HAKUTO-Rはオフィシャルパートナーとして株式会社三井住友銀行、コーポレートパートナーとして、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、高砂熱学工業株式会社、SMBC日興証券株式会社、  Sky株式会社、Epiroc AB、株式会社ジンズ、栗田工業株式会社が参加している。  

[i]  2025年5月時点の想定

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