News

ispace、米国法人のリーダーシップ体制変更を発表

2025年10月31日

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、当社米国法人であるispace technologies U.S., inc(以下ispace-U.S.)の取締役会Chairmanであり、前CEOを務めたロナルド・ギャレン(Ronald J. Garan Jr.)が、本日付けでispace-U.S.から退任したことを発表いたします。


ispace-U.S. 元取締役会Chairmanロナルド・ギャレン(左)とispace-U.S. CEO エリザベス・クリスト(右)

 ロナルド・ギャレンは、数々の勲章を受章した元NASA宇宙飛行士であり、米国空軍の退役大佐です。2023年6月のispace-U.S. CEO就任より約2年半にわたりその成長を牽引し、事業開発およびエンジニアリング体制の構築に大きく貢献しました。そのリーダーシップの下、ispace-U.S.は米国市場だけでなく、世界の宇宙産業における存在感を確立しています。

在任中、ispace-U.S.はコロラド州デンバーに新たに米国本社を開設し、従業員数は数十名から100名規模へ拡大いたしました。また、管制室であるサミット・ミッション・コントロール・センターも開設し、APEX 1.0ランダーによるミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)に向けて開発を大きく推進いたしました。

今後は、2025年1月にCEOとして就任したエリザベス・クリストが引き続きispace-U.S.を率いると共に、ispace代表取締役CEO & Founderの袴田武史が本日付でChairman職を兼務いたします。ispaceグループ一同、ロナルド・ギャレンの長年のispaceへの貢献に対して深く感謝の意を表すると共に、今後の益々の活躍を心より祈念いたします。

 

  • 株式会社ispace 代表取締役CEO &Founder 袴田武史のコメント

「ロナルドはispace-U.S.が米国での基盤を築く重要な時期に参画し、ステークホルダーとの関係構築に尽力してくれました。地球と月がひとつのエコシステムとなる世界を構築するというispaceのビジョンを彼は信じ、体現しています。この2年半のリーダーシップに心より感謝します。ispace-U.S.は、米国主導となる初の月ミッションに向けて万全の体制を整えており、今後もエリザベスのもとで更なる成果を上げていくことを確信しています。」

 

  • ispace-U.S. 元取締役会Chairmanロナルド・ギャレンのコメント

「この2年半、ispace-U.S.を代表し、献身的なスタッフと共に歩んでこられたことをとても光栄に思います。私たちは、世界水準の航空宇宙事業の構築に向けて大きな前進を遂げ、着実にAPEX 1.0ランダーの開発を成熟させてきました。ispaceはその国際的なネットワークを活かし、シスルナ経済圏の発展において重要な役割を果たすという独自の立場にあります。それは、単にispaceが三つの主要市場へのアクセスを持つからというだけでなく、異なる背景と視点を持つ国際的な仲間が集い、多様な創造性と革新性を生み出しているからです。」

 

  • ispace-U.S. CEO エリザベス・クリストのコメント

「ロナルドとは8年間にわたり、複数の組織で共に働いてきました。彼は、常に謙虚で実行力のあるリーダーで、その姿勢はispace-U.S.を率いたこの2年半にも表れています。リーダーシップの育成や、成長著しいコロラド拠点の運営、そしてシスルナ経済圏の構築と発展というビジョンの推進にも尽力しました。ロナルドの功績は、米国および世界におけるispace-U.S.の貢献として今後も受け継がれていくでしょう。」

 

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2も2025年1月15日に打上げを完了した。これらはR&D(研究開発)の位置づけで、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化を目的としたミッションであり、結果、ispaceは月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。2027年iには、米国法人が主導するミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げを予定しており、ミッション1、2で得られたデータやノウハウをフィードバックした、より精度の高い月面輸送サービスの提供によって、NASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。さらに、2028年iiには、経産省SBIR補助金を活用し、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4(旧ミッション6)の打ち上げを予定している。

――――――――――

i  2025年10月時点の想定

当該打上げ時期については2025年10月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション4は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2025年10月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。

PDF
一覧に戻る